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個展を終えて
先月個展が終了しました。
ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。1ヶ月経ち、展示を経て感じたことなどを書いてみたいと思います。
何度か「作品は帰国後に写真を見て描くのですか?」と質問を頂きました。ほとんどの作品は、現地で彩色まで仕上げています。雨の日もあるし時間がない時もあるので、線画だけの時もあれば、彩色をしても長くて30分くらいです。
たくさんの失敗を(後悔かも)経て大切にしていることは、時間が無くても一本の線だけでも描くことです。帰国後に写真を参考に描くこともありますが、その中で絵にすることが出来たのは、ほんの少しでもノートに走り書きを残したものでした。写真だけを見て描くのは、私の場合どうしても上手くいかず楽しくありませんでした。
なんで描けなかったんだろう?と考えて気が付いたのは、やはり描くことで見ていた…というごく当たり前の事でした。何かを書き写す時に間違えないように注意深く見るのと同じように、描くことで、じっくりと味わいながら見ていたようです。私にとって旅をより楽しむ方法が絵を描くことで、その場で描くことが何より楽しいのだと思います。
異国の道端で一人描いた絵を、たくさんの方々が見て下さるのは本当に幸せなことです。会期中、会場を眺めながら何度もよぎった想いです。
また来年も新たな旅のスケッチをご覧頂けたら嬉しいです。