「色と混色」についておすすめの本4冊


色と水彩の混色について、レッスンでもおすすめしている本を紹介します。


1透明水彩混色教室

2色彩 色材の文化史

3シュブルール色彩の調和と配色のすべて

4色彩論

1「透明水彩 混色教室」 著 / 鈴木輝實 / グラフィック社

混色の基本的な理論と水彩の基本技法、代表的な絵の具をそれぞれ詳しく解説している一冊です。この本は20歳の頃に初めて買った透明水彩の技法書で、今でも大切にしています。 初めはどうしても理論を理解できなかったので、とりあえず掲載されている混色を模写して練習してみました。実際に描いてみると本の通りになり、「この絵の具と、この絵の具を混ぜるとこうなる」という結果を覚え始め、これが水彩をスムーズに使えるきっかけになったように思います。 これでも十分だとは思うのですが、まだこの時点では定番の色しか作ることができず思い通りの色を作ることは出来ませんでした。やはり自由になるためには色の理論をしっかり理解することが必須です。私は理論を後回しにしてしまったので、随分と遠回りをしてしまったのですが、手を動かしつつ、ときどき本を開いて理論を読んで…を繰り返していけば、いつか府に落ちる瞬間があるのではないかと思います。

水彩が初めての方にも、色作りに悩んでいる方にもおすすめの本です。 (現在は表紙が新しくなっています)



2「色彩 色材の文化史」 著 / フランソワ・ドラマール&ベルナール・ギノー / 創元社 次は色が好きな方にはたまらない一冊!古代から現代までの、色材(絵の具や染料)の原材料について歴史の流れとともに解説している本です。絵の具の名前は長くて難しいと思います。でもそこには原材料の名前や地名、その色が伝来した理由などが含まれていて私はここにすごいロマンを感じます! 例えば茶色の絵の具「ローシェンナ Raw Sienna」の「Raw」は「生の」、「Sienna」はイタリアの都市「シエナ」なので、「生のシエナの土」を使った絵の具という意味です。焦げ茶の「バーントシェンナ Burnt Sienna」もありますが、これはシエナの土を焼いて(Burnt)作った絵の具。絵の具の名前も意味が解ると覚えやすいです。 私はこの色が見たくて一度シエナを訪ねたのですが、本当に街全体が絵の具の色と同じで感動しました!…と話し出すと一人で盛り上がってしまうので、この辺で止めます…。色が好き、絵の具がどうやって作られているのか知りたいという方におすすめです。

話は逸れますが絵の具の作り方に興味がある方に、おすすめのワークショップがあります。 PIGMENT TOKYO 水彩絵の具づくり 西洋の古典的な製法で絵の具を作ることができます。画材の理解に役立ちますし、何より美しく楽しいです。

3「シュブルール色彩の調和と配色のすべて」 著 / M.E.シュブルール / 訳 /佐藤邦夫 / 青娥書房

4「色彩論」 著 / ゲーテ / 訳 /木村直司 / ちくま学芸文庫 この2冊は専門的になりますが、特にシュブルールの本は印象派の作品が好きな人におすすめです。 「シュブルール色彩の調和と配色のすべて」は、フランスの化学者シュブルールが書いた論文と全ての著作をまとめた一冊です。この本にも納められている「色彩の同時対比の法則/ 1839年」は、当時の色彩の最先端研究で印象派の画家達のバイブルでもあったそうです。 印象派の画家は「光を描いた画家達」とよく称されますが、その光を描くために化学的な思考を使ったことを知り、その呼称にまた違った側面を感じました。なぜ印象派の絵からは光を感じるのか、理由と方法がとてもよく解ると思います。この本を読んでから印象派の作品を見るのがより楽しくなりました。


以上が色と混色に関するおすすめの本です。

次回の投稿では、旅のスケッチに関するおすすめの本をご紹介したいと思っています!